アレクサンドル・グラズノフ

生没年・出身地・歿地・墓地
アレクサンドル・グラズノフ生誕 Aleksandr Konstantinovich Glazunov

(1865年8月10日サンクトペテルブルク生)
(1936年3月21日パリで客死)

目次(クリックまたはタップで各項目にジャンプします。)

1.職業

ソビエト連邦の作曲家・指揮者・教師

2.称号

ロシアでは民族芸術家、ロシア音楽協会長

3.経歴

父はサンクトペテルブルクで古くからの出版業を営み、プーシキンの「エフゲニー・オネーギン」の版元であった。グラズノフはその裕福な家庭に育った

1874年9才でピアノを学ぶ

1875年10才で作曲を始め早くから才能を示したようだ

1879年14才でバラキレフに音楽を学ぶ
1880年才能を認めたバラキレフは12月、15才グラズノフをリムスキー・コルサコフに引き合わせ、リムスキー・コルサコフに作曲法学び始める

1881年16、才交響曲第1番「スラブ風」Op.5 を発表し世間を驚かせた。アナトーリ・リャードフにより、芸術家の大パトロンであった富裕な材木商ミトロファン・ベリャーエフはグラズノフの音楽を知り、グラズノフの音楽に興味を持つようになり、その興味を国民楽派の作曲家全員に広げた

1882年16才「交響曲第1番スラブ風Op.5 初演をリムスキー・コルサコフが指揮

1884年ペリャーエフに連れられヨーロッパに旅をした。ワイマールではフランツ・リストに合い、リストは交響曲第1番に感心していたので同地でこの作品は上演された。ベリャーノフはグラズノフ音楽発表のために「ロシア交響曲演奏会を組織し、ホールとオーケストラを借り切ってグラズノフの最新の作品や交響曲第1番を上演した

1885年も、前年に続きベリャーノフはグラズノフの最新の作品等を上演している。ベニャーノフはライプツィヒに楽譜出版社を創設しグラズノフやほかの作曲家の作品を出版し作品の紹介に務めた。ベリャーノフの要請でリョードフ、リムスキー・コルサコフ等とともに出版社の顧問に就任し、グラズノフとベリャーノフの交友は生涯続いた。交響詩「ステンカ・ラージン」作曲

1886年交響曲第2番嬰へ短調 Op.16 作曲

1888年指揮者デビュー

1889年パリ万博の「ロシア音楽演奏会」で自作の第2交響曲を指揮。管弦楽のための幻想曲「海」作曲

1890年作曲に行き詰まりを経験している。交響曲第3番ニ長調 ōp.33 作曲

1891年音楽的絵画ニ長調「春」作曲

1893年交響曲第4番変ホ長調 Op.48 作曲

1895年交響曲第5番ロ長調 Op.55 作曲

1896年イギリスで自作曲を指揮した。ロシア交響楽協会指揮者に任命される。交響曲第6番ハ短調 Op.58 作曲

1897年ラフマニノフの交響曲第1番の初演を指揮した。バレエ音楽「ライモンダ」Op.57 作曲

1898年バレエ音楽「恋愛合戦」Op.61 作曲

1899年ペテルブルク音楽院の総譜初見演奏・理論の教授に就任

1900年バレエ音楽「四季」Op.67、バレエ音楽「恋愛合戦」Op.61が初演された

1902年ベリャーノフが没し、グラズノフは彼が築いた財団を引き受けることになる。交響曲第7番ヘ長調「田園」 Op.77 作曲

1905年二月革命でリムスキー・コルサコフが音楽院を追放されると抗議して教授を辞職する

1906年ペテルブルク音楽院の自主運営が認められ院長に選出され就任。彼はカリキュラムを改善したり、学生と教職員のために規律を高めた。オペラの練習場と学生オーケストラを設立したりしながら、学校の威厳と自治を守りとおした。交響曲第8番変ホ長調 Op.83 作曲

1907年5月17日パリで指揮。イギリスではオックスフォード大学とケンブリッジ大学から名誉音楽博士の称号を授かる。ソヴィエト連邦の民族芸術家称号を授与され、またロシア音楽家協会会長に選ばれた

1908年付随音楽「サロメ」Op.90 作曲

1910年交響曲第9番ニ短調 未完のままに終わる

1913年付随音楽「ユダヤの王」Op.95 作曲、付随音楽「仮面舞踏会」Op.102 作曲

1914~18日年の第一次世界大戦の間は指揮者として活動を続け工場や軍隊の駐屯地で演奏会を指揮した

1928年ウイーンでシューベルト没後100周年記念行事に出席、ヨーロッパ、アメリカを旅しパリに移住。ペテルブルク音楽院院長を退任した

1929年自作「四季」全曲をレコーディング。10才年下のオリガ・ガヴリロヴァと結婚、オリガの娘エレーナ・ガヴリロヴァは後に養子となり、エレーナ・グラズノヴァと名乗る。エレーナはピアニストのセルゲイ・タルノフスキーと結婚していたが、タルノフスキーと離婚後はヘルベルト・ギュンターと再婚し、エレーナ・ギュンター=グラズノヴァと名乗った

1930年弦楽四重奏曲第7番作曲

1936年祖国の土を踏むことなくパリで客死

4.主な作品

バレエ音楽
『ライモンダ』作品57(1897年)全3幕
『お嬢さん女中、または女の試み(恋愛合戦)』作品61(1898年)
『四季』(Времена года)作品67(1899年)1幕4場

付随音楽
サロメ 作品90(1908年)
ユダヤの王 作品95(1913年)
仮面舞踏会 作品102(1913年)

交響曲
交響曲第1番ホ長調『スラブ』 作品5(1882年)
交響曲第2番嬰ヘ短調 作品16(1886年)
交響曲第3番ニ長調 作品33(1890年)
交響曲第4番変ホ長調 作品48(1893年)
交響曲第5番変ロ長調 作品55(1895年)
交響曲第6番ハ短調 作品58(1896年)
交響曲第7番ヘ長調『田園』 作品77(1902年)
交響曲第8番変ホ長調 作品83(1906年)
交響曲第9番ニ短調(1910年、未完)

協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品82(1904年)
ピアノ協奏曲第1番 ヘ短調 作品92(1911年)
ピアノ協奏曲第2番 ロ長調 作品100(1917年)
チェロと管弦楽のための《コンチェルト・バッラータ》ハ長調 作品108
アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲 変ホ長調(1934年)
チェロと管弦楽のための2つの小品 作品20(1887年 – 1888年)
スペインのセレナード
チェロと管弦楽のための《吟遊詩人の歌》作品71(1900年)

管弦楽曲
性格的組曲 作品9(1884年)
悲歌『英雄の思い出に』 作品8(1885年)
交響詩『ステンカ・ラージン』 作品13(1885年)
抒情的な詩 作品12(1887年)
幻想曲『森』 作品19(1887年)
婚礼の行列 作品23(1889年)
幻想曲『海』 作品28(1889年)
交響的絵画『クレムリン』 作品30(1891年)
春 作品34(1891年)
序曲『謝肉祭』 作品45(1892年)
勝利の行進曲 作品40(1893年)
組曲『ショピニアーナ』 作品46(1893年)。
演奏会用ワルツ第1番ニ長調 作品47(1893年)
祝典の行列 作品50(1894年)
演奏会用ワルツ第2番ヘ長調 作品51(1894年)
バレエの情景 作品52(1894年)
幻想曲『暗黒から光明へ』 作品53(1894年)
祝典序曲 作品73(1900年)
組曲『中世より』 作品79(1902年)
フィンランド幻想曲 作品88(1909年)
祝典の行列 作品91(1910年)
叙事詩(1933年 – 1934年)

室内楽曲
弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 作品1( 1882年)
弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 作品10(1884年)
弦楽四重奏曲 第3番 ト長調「スラヴ」 作品26(1888年)
弦楽四重奏曲 第4番 イ短調 作品64(1894年)
弦楽四重奏曲 第5番 ニ短調 作品70(1898年)
弦楽四重奏曲 第6番 変ロ長調 作品106(1921年)
弦楽四重奏曲 第7番 ハ長調 作品107(1930年)
サクソフォーン四重奏曲 作品109(1932年)

オルガン曲
前奏曲とフーガ ニ長調 作品93(1906年 – 1907年)
前奏曲とフーガ ニ短調 作品98(1889年 – 1991年)
幻想曲とフーガ 作品110(1935年)

ピアノ曲
サーシャの名による組曲 作品2
3つの練習曲 作品31(1891年)
演奏会用大ワルツ 変ホ長調 作品41(1893年)
主題と変奏 作品72(1900年)
ピアノ・ソナタ第1番 変ロ短調 作品74(1901年)
ピアノ・ソナタ第2番 ホ長調 作品75(1901年

合唱曲
戴冠式カンタータ 作品56
プーシキン生誕100周年記念カンタータ 作品65

歌曲
5つの歌 作品4( 1885年)
2つの歌 作品27(1888年)
6つの歌 作品56(1898年)
6つの歌 作品60(1898年)

5.その他

優れた管弦楽作品に与えられる「グリンカ賞」を17回受賞
シューマン「謝肉祭」の管弦楽用に編曲
ボロディンやムソルグスキーの未完作品をリムスキー・コルサコフと組んで完成させた

6.初演

7.関連動画

演奏会用ワルツ第1番ニ長調
Concert Waltz № 1, in D major, op.47
Russian National orchestra (RNO).
Mikhail Pletnev – conductor.ミハイル・ヴァシーリエヴィチ・プレトニョフ(ロシアのピアニスト・指揮者)
February 25, 2012. Great Hall, Moscow Conservatory.

 

バレエ《ライモンダ》から
A. Glazunov. Ballet suite from Raymonda
Conductor — Alexander Vakoulsky / Moscow City Symphony – Russian Philharmonic
Soloist — Alexander Sinchuk (piano)
October 16, 2013 Grand Hall of the Conservatory

 

バレエ《ライモンダ》名場面集
Raymonda ballet(the best parts)
Francesca Podini 
Alla Scala スカラ座

 

バレエ《四季》 Op.67
Alexander Glazunov, The Seasons, op. 67
Orchestra: Minnesota Orchestra
Conductor: Edo de Waart エド・デ・ワールト(オランダの指揮者)

 

ヴァイオリン協奏曲
Glazunov – Vioolconcerto
Conductor. Karel Deseure / Symfonieorkest Vlaanderen
Soloist. Mayu Kishima ヴァイオリン 木嶋真優
16/12/2014 – Concertgebouw Brugge

 

ピアノ協奏曲第1番 へ短調 Op.92
GLAZUNOV: Piano Concerto No. 1 in F minor op. 92
Sviatoslav Richter (piano)
Kirill Kondrashin (conductor)
Moscow Youth Orchestra

 

交響曲第1番 ホ長調 作品5
A.K.Glazunov / Symphony No.1 E-dur Op.5
指揮:秋山俊樹 / 演奏:ラスベート交響楽団
※1999年に結成された東京都内で活動している社会人を中心のアマチュアオーケストラ
2016.1.31 タワーホール船堀

 

交響曲第2番 嬰へ短調 Op.16
Alexander Glazunov Symphony No 2 in F Sharp minor op 16
USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra
Gennadi Rozhdestvensky, conductor ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

 

交響曲第3番 ニ長調 Op.33
Alexander Glasunov Symphony No 3 in D Major op 33 by
USSR Ministery of Culture Symphony Orchestra
Gennadi Rozhdestvensky, conductor ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

 

交響曲第4番 変ホ長調 Op.48
指揮:ホセ・セレブリエール 演奏:ロシアナショナル管弦楽団
Glazunov Symphony No4
José Serebrier and Russian National Orchestra performs
March 13, 2012. Tchaikovsky Concert Hall, Moscow, Russia.

 

交響曲第5番 ロ長調 Op.55
Alexander Glazunow: Symphonie Nr. 5, B-Dur, op. 55
Liang Zhang, Conductor / Shanghai Philharmonic Orchestra
指挥:张亮 演奏:上海爱乐乐团
2016.04.10 Shanghai Symphony Orchestra Hall

 

交響曲第6番 ハ短調 Op.58
Glazunov: Symphony No. 6 in C minor, Op. 58
Anissimov, Moscow Symphony Orchestra

 

交響曲第7番 ヘ長調「田園」 Op.77
Alexander Glazunov : Symphony No. 7 in F major Op. 77 ‘Pastoral’ (1902)
Performed by the Moscow Radio Symphony Orchestra conducted by Vladimir Fedoseyev.

 

交響曲第8番 変ホ長調 Op.83
Alexander Glazunov : Symphony No. 8 in E-flat major Op. 83 (1906)
Performed by the Moscow Radio Symphony Orchestra / conducted by Yevgeny Svetlanov.

 

前奏曲とフーガ ニ短調 op.62
Alexander Konstantinovich Glazunov (1865-1936) – Prelude and fuge d-moll op.62

 

組曲《中世より》 op.79
Performed by the Moscow Radio Symphony Orchestra conducted by Vladimir Fedoseyev.

ピアノ協奏曲第1番へ短調
Alexander Konstantinovich Glazunov Concerto per pf. e orchestra n. 1 in fa min. op. 92

 

ロマティックな間奏曲 op.69
Alexander Glazunov – Intermezzo Romantico

 

瞑想曲ニ長調 op.32
Glazunov, Alexander K. Meditation op.32 for violin+ orchestra

 

3つの小品 Op. 42 No. 3
Aleksandr Glazunov – Waltz Op. 42 No. 3 (audio + sheet music)

 

悲歌ト短調 Op. 44
Glazunov : Elegy Op. 44

 

アルト・サクソフォーンと弦楽のための協奏曲 変ホ長調 Op.109
Glazunov’s Concerto for Alto Saxophone and String Orchestra in E flat major, Op. 109.
JoAnn Falletta conducts
soloist Joseph Lulloff / the Brevard Music Center Orchestra
Recorded on June 24, 2012, at the Whittington-Pfohl Auditorium in Brevard, NC.

 

クラリネットと弦楽四重奏のためのオリエンタル幻想
Alexander Glazunov – Oriental Reverie for Clarinet and String Quartet
The Farallon Quintet – Dan Flanagan / Matthew Oshida, violins / Elizabeth Prior, viola / Adelle-Akiko Kearns, cello with Jose Gonzales, clarinet perform:
on Tuesday October 15, 2013 at San Francisco’s Noontime Concerts,

参考文献:「クラシック作曲家辞典」中河原理監修、フェニックス企画編 東京出版堂 「音楽史(音楽講座)」堀内敬三著 音楽之友社 「偉大なる作曲家のためのカルテ」五島雄一郎著 医療ジャーナル社 「wikipedia」 「glennmie.blog.s0-net.ne.jp」 「robortkelloyphd.com」 「dictionary/composer/alkan」 「maucamedus.net/solmization/gawut」 「www.tcat.ne.jp/eden/music」 「www.cadenza-od.com」 「www.coara.or.jp/-doraemon/gagaku/nenpyoz.htm」 「www.gecities.jp/gzgaku.ryuteki」 「www.univesal-music,co.jp」 「maokato.jp/bihoro/bihoro 「homepage3.nifty.com/cio/a-alta」 「www.wagnerdailas.com」 「江戸東京年表」吉原健一郎・大濱徹也編 小学館 「日本史・世界史 同時代比較年表」楠木誠一郎著 朝日新聞出 「音楽文庫・日本音楽史」伊庭孝著 講談社 「tsuzu/asakusaopera-nenpu.html」 「tsuzu/operetta-kafu.html」