小澤征爾物語 シリーズ‐17‐1968年

小澤征爾物語 シリーズ-17‐1968年演奏会記録

1968年(昭和43年)33歳

【楽歴】

小澤征爾物語 シリーズ-2 トピックス

【活動記録】
・1月26日ボストン交響楽団シンフォニーホール・デビュー
・1月-2月ボストン交響楽団を指揮(8公演)
・3月25-28日トロント交響楽団を率いてミシガンツアー(ベイシティ,サギノー,フリント,アナーバー)
・4月シカゴ交響楽団を指揮
・6月12,13日ベルリン・フィルを指揮
・6月27日-8月10日ラヴィニア音楽祭シカゴ交響楽団を指揮
・7月1日シカゴ交響楽団を指揮して録音(春の祭典)
・7月26日ザルツブルク音楽祭でカラヤンのアシスタントを務める。(歌劇ドン・ジョヴァンニ)
・8月10日小澤征爾は、ラヴィニア音楽祭音楽監督退任を発表した
退任挨拶『ラヴィニアは私を音楽監督に招いてくれた最初の組織です。皆さんが私を信頼してくれなかったら、私は今頃キャリアを積んでいなかったと思います。シカゴ交響楽団は私が指揮した中で最も偉大なオーケストラの一つであり、ここで経験した音楽の栄光ほど素晴らしいものはありません』と語った。
退任時に名誉音楽監督に任命された。彼は1968年シーズンまでラヴィニア音楽祭の音楽監督を務め、1969年シーズンには首席指揮者を務め、その後も定期的に客員指揮者として出演した。小澤が最後にこの音楽祭に出演したのは1985年7月14日で、モーツァルトの「ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調」と武満徹の「リヴァーラン」を指揮し、さらに ピーター・ゼルキン と 共演したほか、チャイコフスキーの「悲愴 」交響曲を演奏した。
・9月3日日本フィル第164回定期演奏会を指揮
・9月入江美樹(日本のモデル、女優、ファッションデザイナー)と結婚して小澤ヴェラとなる。入江は結婚後はファッションデザイナーとして活動し、レディスブランド「ザ・ギンザ・バイ・ミズ・ヴェラ」などを手がける。征爾との間に生まれた長女の小澤征良はエッセイスト、長男の小澤征悦は俳優となった。
・12月1-6日トロント交響楽団を指揮(5公演)
・12月25日日本フィル第171回定期演奏会を指揮(第九)

【演奏会記録】
・日本フィル首席指揮者就任。
1月26日 ボストンシンフォニーホール・デビュー
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
シンフォニーホール ボストン

1月27日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
シンフォニーホール ボスト

1月29日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
ブッシュネル記念ホール ハートフォード

1月31日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
フィルハーモニックホール(リンカーンセンター) ニューヨーク

2月1日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
アカデミー・オブ・ミュージック、ブルックリン

2月2日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
フィルハーモニックホール(リンカーンセンター)ニューヨーク

2月6日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
シンフォニーホール ボストン

2月8日
グルック《アウリスのイフィゲニア》序曲
編曲:リヒャルト・ワーグナー
バーンスタイン《交響曲第2番》「不安の時代」
高橋悠治(ピアノ)
オットー・ヨアヒム《オーケストラのためのコントラスト》
ラヴェル《ダフニスとクロエ》組曲第2番
小澤征爾 ボストン交響楽団
シンフォニーホール ボストン

3月25日 ミシガンツアー
ピーター・シェンクマンチェロ
スタンリー・ソロモン(ビオラ)
小澤征爾 トロント交響楽団
アメリカ、ミシガン州ベイシティ

3月26日 ミシガンツアー
ピーター・シェンクマンチェロ
スタンリー・ソロモン(ビオラ)
小澤征爾 トロント交響楽団
アメリカ、ミシガン州サギノー

3月27日 ミシガンツアー
ピーター・シェンクマンチェロ
スタンリー・ソロモン(ビオラ)
小澤征爾 トロント交響楽団
アメリカ、ミシガン州フリント

3月28日 ミシガンツアー
ピーター・シェンクマンチェロ
スタンリー・ソロモン(ビオラ)
小澤征爾 トロント交響楽団
アメリカ、ミシガン州アナーバー

4月29日
バーンスタイン《キャンディード》序曲
ブラームス《交響曲第1番》第4楽章
マスカーニ《カヴァレリア・ルスティカーナ》より
「ママも知るとおり」
グレース・バンブリー(ソプラノ)
ポンキエッリ《ジョコンダ》第4幕より「自殺」
グレース・バンブリー(ソプラノ)
小澤征爾 シカゴ交響楽団
オーケストラ・ホール

6月12,13日
ベートーヴェン《プロメテウスの創造物》序曲
モーツァルト《ピアノ協奏曲》K.503
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
マーラー《交響曲第1番》「巨人」
小澤征爾 ベルリンフィルハーモニー
ベルリン フィルハーモニーザール

6月27日、ラヴィニア音楽祭
ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー
へ》前奏曲
ベートーヴェン《交響曲第七番》
ベルリオーズ《ローマの謝肉祭》序曲
コープランド《荘厳な儀式のための序言》
マリアン・アンダーソン(語り)
ストラヴィンスキー《火の鳥》組曲
小澤征爾 シカゴ交響楽団

6月29日、ラヴィニア音楽祭
ベートーヴェン《プロメテウスの創造物》序曲
ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第三番》
バイロン・ジャニス(ピアノ)
ストラヴィンスキー《春の祭典》
小澤征爾 シカゴ交響楽団

6月30日、ラヴィニア音楽祭
ウェーバー《オベロン》序曲
ラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番》
スーザン・スター(ピアノ)
チャイコフスキー《白鳥の湖》組曲
ジェリー・ボック《屋根の上のバイオリン弾き》より抜粋
ジョー・ガーランド《イン・ザ・ムード》
小澤征爾 シカゴ交響楽団

7月1日 録音
ストラヴィンスキー《春の祭典》
ストラヴィンスキー《花火》
小澤征爾 シカゴ交響楽団
シカゴ・コンサートホール

7月2日 ラヴィニア音楽祭
ファリャ《スペインの庭園の夜》
ホアキン・アチュカロ(ピアノ)
ファリャ《三角帽子》3 つの踊り
リムスキー= コルサコフ《スペイン奇想曲》
ファリャ《スペインの庭の夜》
ホアキン・アチューカロ(ピアノ)
ファリャ《三角帽子》
リムスキー=コルサコフ《スペイン奇想曲》
小澤征爾 シカゴ交響楽団

7月6日、ラヴィニア音楽祭
エルンスト・クシェネク《Perspectives》世界初演
ラヴェル《左手のためのピアノ協奏曲》
レオン・フライシャー(ピアノ)
チャイコフスキー《交響曲第5番》
小澤征爾 シカゴ交響楽団

7月7日、ラヴィニア音楽祭
J.C. バッハ《交響曲第4番》
サン= サーンス《チェロ協奏曲》
ローレンス・フォスター(チェロ)
ストラヴィンスキー《花火》
ウィリアム・ルッソ《ブルース・バンドとオーケストラのための3つの小品》世界初演
小澤征爾 シカゴ交響楽団

7月26日
カラヤンのアシスタント(ザルツブルク音楽祭)
オペラ《ドン・ジョヴァンニ》を指揮するカラヤンのアシスタントを務め、シンフォニーとオペラは車の両輪、どちらも必要と助言をうけた。
出演したミレッラ・フレーニからチャイコフスキーのオペラを指揮するよう勧められたという。
出演
ドン・ジョヴァンニ:ニコライ・ギャウロフ
ドナ・アンナ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ
ドナ・エルビラ:テレサ・ザイリス・ガラ
ツェルリーナ:ミレッラ・フレーニ
ドン・オッタヴィオ:アルフレッド・クラウス
マセット: ロランド・パネライ
レポレロ:ゲラント・エヴァンス
騎士団長:マルティ・タルヴェラ
ウィーン国立歌劇場合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
小澤征爾 アシスタント
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

8月3日 ラヴィニア音楽祭
シューベルト《交響曲第8番》(未完成)
プッチーニ《ラ・ボエーム》より「わたしの名はミミ」
アンナ・モッフォ(ソプラノ)
ヴェルディ《椿姫》より「Scene」
アンナ・モッフォ(ソプラノ)
ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》より「Mad Scene」
アンナ・モッフォ(ソプラノ)
ベートーヴェン《交響曲第五番》
小澤征爾 シカゴ交響楽団

8月4日 ラヴィニア音楽祭
ゴードン・スタウト《交響曲第2番》世界初演
ショスタコーヴィチ《チェロ協奏曲》
フランク・ミラー(チェロ)
ヒナステラ ピアノ協奏曲第1番 作品28
ジェローム・ローウェンタール(ピアノ)
アルベルト・ヒナステラ《ピアノ協奏曲第1番》
ジェローム・ローウェンタール(ピアノ)

8月6日 ラヴィニア音楽祭
外山雄三《管弦楽ためのラプソディ》
武満徹《ノベンバー ・ステップス》
鶴田錦糸(琵琶)
横山勝也(尺八)
チャイコフスキー《ヴァイオリン協奏曲》
キム・ヤン=ウク(ヴァイオリン》
小澤征爾 シカゴ交響楽団

8月8日 ラヴィニア音楽祭
ムソルグスキー《禿山 の一夜》
リムスキー=コルサコフ編曲
ブリテン《スコットランドのバラード》
アーサー オースティン ウィットモア(ピアノ)
ジャック・ロウ(ピアノ)
プーランク《2台のピアノのための協奏曲》
アーサー オースティン ウィットモア(ピアノ)
ジャック・ロウ(ピアノ)
メンデルスゾーン《真夏の夜の夢》より
メアリー・ミシェル(語り)
テレサ・オランテス(ソプラノ)
ダイアナ・ハスケル(メゾソプラノ)
シカゴ交響楽団女性合唱団
マーガレット・ヒルズ(合唱指揮)
小澤征爾 シカゴ交響楽団

8月10日(A) ラヴィニア音楽祭
バーンスタイン《ウエストサイド物語》プロローグ
ドビュッシー《ベルガマスク組曲》Ⅲ.月の光
外山雄三《管弦楽のためのラプソディ》
ムソルグスキー《禿山 の一夜》
リムスキー=コルサコフ編曲
ヴェルディ《シチリア島の夕べの祈り》序曲
小澤征爾 シカゴ交響楽団

8月10日(B) ラヴィニア音楽祭
レスピーギ《鳥》組曲
モーツァルト《ピアノ協奏曲第23番》
ジョン・ブラウニング(ピアノ》
ストラヴィンスキー《ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ》
ジョン・ブラウニング(ピアノ)
ヒンデミット《ウェーバーの主題による交響的変容》
小澤征爾 シカゴ交響楽団
・小澤征爾は、ラヴィニア音楽祭音楽監督退任を発表した
退任挨拶
『ラヴィニアは私を音楽監督に招いてくれた最初の組織です。皆さんが私を信頼してくれなかったら、私は今頃キャリアを積んでいなかったと思います。シカゴ交響楽団は私が指揮した中で最も偉大なオーケストラの一つであり、ここで経験した音楽の栄光ほど素晴らしいものはありません』と語った。
退任時に名誉音楽監督に任命された。
彼は1968年シーズンまでラヴィニア音楽祭の音楽監督を務め、1969年シーズンには首席指揮者を務め、その後も定期的に客員指揮者として出演した。小澤が最後にこの音楽祭に出演したのは1985年7月14日で、モーツァルトの「ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調」と武満徹の「リヴァーラン」を指揮し、さらに ピーター・ゼルキン と 共演したほか、チャイコフスキーの「悲愴 」交響曲を演奏した。

9月3日 第164回東京定期演奏会 
ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第三番》
松浦豊明(ピアノ)
ベートーヴェン《交響曲第四番》
ベートーヴェン《合唱幻想曲》
ソプラノ:佐野順子(S.)
ソプラノ:大川隆子(S.)
アルト:宮崎博子(A.)
テノール:唐津東流(T.)
テノール:山形忠顕(T.)
木村俊光(br.)
都民合唱団
三友合唱団
小澤征爾 日本フィルハーモニー
東京文化会館

9月入江美樹(日本のモデル、女優、ファッションデザイナー)と結婚して小澤ヴェラとなる。入江は結婚後はファッションデザイナーとして活動し、レディスブランド「ザ・ギンザ・バイ・ミズ・ヴェラ」などを手がける。
征爾との間に生まれた長女の小澤征良はエッセイスト、長男の小澤征悦は俳優となった。

10月22,23日
ロドリーゴ《アランフェス協奏曲》
ジュリアン・ブリーム
小澤征爾 トロント交響楽団
マッセイ・ホール、トロント

12月1日
小澤征爾 トロント交響楽団
ボストン
Messiaen’s Turangalîla-Symphonie
Toronto Symphony (RCA, 1968)

12月2日
小澤征爾 トロント交響楽団
バーリントン

12月3,4日、
小澤征爾 トロント交響楽団
モントリオール

12月6日
小澤征爾 トロント交響楽団
オタワ

12月25日 第171回東京定期演奏会  
ベートーヴェン《交響曲第九番》「合唱」
斎藤江美子(S.)
木村宏子(A.)
鈴木寛一(T.)
川村英司(Br.)
藤原歌劇団合唱部
東京混声合唱団
二期会合唱団
日本合唱協会
東京カンマー・コーア
小澤征爾 日本フィルハーモニー
東京文化会館

↓ 1966年ローマの松