長野羊奈子(若杉)
夫は指揮者の若杉弘。夫の父は外交官の若杉要
1933年東京生まれ
2014年10月20日東京都目黒区の病院で歿
1.職業
声楽家(メゾソプラノ)・声楽教育者
2.称号
3.【楽歴】
1956年東京芸術大学音楽学部声楽科卒業
1958年同大学院修了
1958年旧西ドイツ政府給費留学生としてベルリン国立音楽大学に留学
1962年卒業
1962年ベルリン・ドイツ・オペラ研究生となる
1963年ベルリン・ドイツ・オペラ正団員となる
師事:畑中良輔、ヘルベルト・ブラウアー、田中路子、戸田敏子
東京芸術大学音楽学部講師
愛知県立芸術大学講師
桐朋学園大学客員教授
教え子:藤原映子、岡田彩子、小山由美、三浦泰子、佐々木倫子、飯野幸子
【関係団体・受(章)賞歴】
二期会会員
1965年度第20回文化庁芸術祭賞奨励賞
1974年第2回ウィンナーワルド・オペラ賞受賞
シューベルト賞受賞
<プロフィール>
東京出身。本名は若杉羊奈子。旧姓は長野。夫は指揮者の若杉弘。義父は外交官の若杉要。
1956年東京芸術大学音楽学部声楽科卒業
1958年 旧西ドイツ政府給費留学生としてベルリン国立音楽大学に留学。畑中良輔、ヘルベルト・ブラウアー、田中路子に師事。’
1962年ベルリン国立音楽大学を卒業。
1963日本人として初めてベルリン・ドイツ・オペラの正団員となり、ミヨーの「オレステス」世界初演デビュー。「フィガロの結婚」のケルビーノ、「蝶々夫人」のスズキなどで活躍。専属歌手の傍ら、欧州各地でオラトリオ公演に参加、西ドイツでリサイタルも開き高い評価を得た。
1965年帰国し、主要オーケストラとの共演などで目覚ましい活躍ぶりを示すとともに、1969・’70年ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演でも共演して注目を集めた。1970年新ウィーン楽派の歌曲による独唱会により、芸術祭大賞。1974年 第二回ウィンナーワルド・オペラ賞受賞。その優れた歌唱力と舞台上の際だった存在感により、オペラ、リート、オラトリオ歌手として確固たる地位を築いた。
二期会会員として数多くのオペラ公演でも輝かしい足跡を残した。水戸芸術館の企画では、1995年5月初演以来すでに全国で12公演を数える音楽物語「ぞうのババール」、「オペラの花束をあなたへ-IX ヴェルディ:歌劇 <リゴレット>ハイライト」(1996年4月)で表現力豊かなナレーションを聴かせている。
東京芸術大学音楽学部講師や愛知県立芸術大学講師、桐朋学園大学教授として後進の指導にもあたった。
4.<経歴>
1933年東京生まれ
1956年東京芸術大学音楽学部声楽科卒業
1958年同大学院修了
旧西ドイツ政府給費留学生としてベルリン国立音楽大学に留学
1962年ベルリン国立音楽大学卒業、ベルリン・ドイツ・オペラ研究生となる
1963年ベルリン・ドイツ・オペラの正団員(日本人として初めて)となり、「フィガロの結婚」のケルビーノ、「蝶々夫人」のスズキ、「カルメン」「魔笛」「サロメ」など多くのオペラに出演。
10~11月、ドイツ・オペラ来日の際に、同歌劇団員の一人として6年ぶりに帰国し「ヴォツェック」のマルグレート役で日本デビュー
1964年ベルリン・ドイツ・オペラ正団員としてオペラ出演
1965年ドイツから帰国後まもない11月に、新ウィーン楽派の歌曲による独唱会により、芸術祭大賞
1965年度第20回文化庁芸術祭賞奨励賞
<演奏会記録>
1967年
1月には東京モーツアルト劇場第2回公演「フィガロの結婚」ケルビーノを演じる。同年7月には二期会創立15周年記念公演ワーグナー「パルジファル」クンドリーを演じる
6月15日<読売日響創立5周年記念・第40回定期演奏会>シェーンベルク《グレの歌》日本初演、に出演、ワルデマール:宮原卓也、トーヴェ:毛利純子、山鳩:長野羊奈子、語り手:中山悌一、農夫:平野忠彦、道化師クラウス:藤沼昭彦、混声合唱:東京混声合唱団、二期会合唱団、日本合唱協会/男声合唱:TCF合唱団、上智大学グリー・クラブ、東洋大学白山グリー・クラブ、早稲田大学コール・フリューゲル、常任指揮者:若杉弘/読売日本交響楽団、東京文化会館大ホール
1968年
9月6日、12日、13日ベートーヴェン《第九》「合唱付き」に出演、渡辺洋子、長野羊奈子、 藤沼昭彦、 栗林義信、 二期会合唱、 近衛秀麿/読売日本交響楽団、厚生年金会館(ステレオ録音)
1969年
1月には二期会公演ワーグナー「ラインの黄金」フリッカ役に出
10月13日<第186回東京定期演奏会>ベートーヴェン《交響曲第9番》「合唱」、指揮:渡邉曉雄 東京文化会館
出演:ソプラノ:蒲生能扶子、アルト:長野羊奈子、テノール:森 敏孝、バリトン:栗林義信、日本フィルハーモニー交響楽団、合唱:国立音楽大学
11月29,30日,12月3,4日<二期会オペラ公演>オペラ《魔笛》指揮:若杉弘、演奏:東京フィルハーモニー交響楽団、 東京文会館大ホール
出演:ザラストロ:大橋国一、弁者:吉江忠男、僧侶1:沢田文彦、僧侶2:中村義春、武士1:宮原卓也、武士2:佐藤征一郎、モノスタトス:佐伯雅巳、タミーノ:砂川稔、パパゲーノ:原田茂生、夜の女王:山根比奈子、パミーナ:蒲生能扶子、侍女1:大川隆子、侍女2:長野羊奈子、侍女3:戸田敏子、童子1:志賀朝子、童子2:佐野順子、童子3:岩波由美子、パパゲーナ/中山早智恵、合唱/二期会合唱団、バレエ/法村・友井バレエ団
1970年
3月11日<第196回東京定期演奏会>《リゲティ:レクイエム (日本初演)》 指揮:岩城宏之 演奏:日本フィルハーモニー交響楽団 東京文化会館
出演:ソプラノ:滝沢三重子、メゾソプラノ:長野羊奈子、合唱:東京混声合唱団、日本合唱協会、東京カンマー・コーア
4月27日、ワーグナー楽劇《ラインの黄金》<EXPO’70公演>指揮/若杉弘、読売日本交響楽団 大阪・フェスティバルホール
出演:ウォータン/大橋国一、ドンナー/立川清登、フロー/丹羽勝海、ローゲ/宮原卓也、フリッカ/長野羊奈子、フライア/佐藤暉子、エルダ/戸田敏子、ファゾルト/佐藤征一郎、ファフナー/鈴木義弘、アルベリヒ/栗林義信、ミーメ/砂川稔、ウォークリンデ/阿部容子、ウェルグンデ/木村宏子、フロースヒルデ/石光佐千子
その後も多数のオペラに出演し、出演回数は現在記録されているだけで37回に及んでいる
その他にも、ベルリン・フィル=カラヤン《第九》ソリスト(録音あり)、読売日本交響楽団《第九》ソリスト(録音あり)、日本フィルハーモニー交響楽団リゲティ「レクイエム 」(日本初演)ソリスト、東京都交響楽団マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」ソリスト(録音あり)、大阪フィルハーモニー交響楽団マーラー《交響曲第2番》「復活」ソリスト、名古屋フィルハーモニー交響楽団マーラー《亡き子をしのぶ歌》、他にも宗教曲のレコーディング等の演奏を数多く務め、優れた歌唱力と舞台上の際だった存在感により、オペラ、リート、オラトリオ歌手として確固たる地位を築いた。元・二期会会員
音楽教育者としては、とりわけ小山は日本を代表する国際的なメゾソプラノ歌手としての地位を築いている
水戸芸術館の企画で、
1974年
12月1日<フィルハーモニー合唱団第21改定期演奏会>カバレフスキー《レクィエム》に出演、長野羊奈子、吉江忠男、フィルハーモニー合唱団、東京荒川少年少女合唱隊、山口貴/東京交響楽団東京文化会館
第2回ウィンナーワルド・オペラ賞受賞
1976年
9月15日<フィルハーモニー合唱団特別演奏会>デリアス《人生のミサ》に出演、曽我栄子、長野羊奈子、丹羽勝海、芳野靖夫、フィルハーモニー合唱団、山口貴/東京交響楽団、東京厚生年金会館
1977年
12月6日<フィルハーモニー合唱団第35回10周年記念定期演奏会>シュミット、フランツ《7つの封印を有する書》に出演、曽我栄子、長野羊奈子、丹羽勝海、田口興輔、芳野靖夫、島田麗子(Og)、フィルハーモニー合唱団、山口貴/東京交響楽団 東京文化会館
1995年
5月初演以来全国で12公演を数える音楽物語《ぞうのババール》、《オペラの花束をあなたへ-IX》
1996年
4月ヴェルディ:歌劇《リゴレット》ハイライト」などで表現力豊かなナレーションを聴かせた
2014年
10月20日8時55分、東京目黒区の病院で肺炎のため逝去。81歳没
2015年長野の遺贈により、音楽研究科博士後期課程(声楽)の学生で、成績優秀な者を対象に給付する「長野羊奈子賞奨学金」が設立された
5.主な録音
➀1961年ドイツ・グラモフォン/マスカーニ:《カヴァレリア・ルスティカーナ》ルチア役を歌う。シャーンドル・コーンヤ、ヴァルター・ベリー共演、クルカ・ヤーノシュ指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団演奏)※ドイツ語歌唱
➁1966年キングインターナショナル/<ベートーヴェン《交響曲全曲》連続演奏会> カラヤン/ベルリン・フィル
➂1968年NAXOS/ベートーヴェン《交響曲第九番》「合唱付き」渡辺洋子/長野羊奈子/藤沼昭彦/栗林義信/近衛秀麿/読売日本交響楽団/二期会合唱団 厚生年金会館ホール
➃1979年2月12日ライヴ・ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル/マーラー《交響曲第8番》「千人の交響曲」中沢桂(S)、酒井美津子(S)、曽我栄子(S)、木村宏子(A)、長野羊奈子(A)、板橋勝(T)、平野忠彦(Br)、岡村喬生(B)、指揮:山田一雄、東京都交響楽団、湘南合唱連盟/フォーレ《レクイエム》山田一雄/東京都交響楽団
➄ ベートーヴェン「交響曲第九番」カラヤン:指揮(カラヤン没後30周年を記念して1966年日本公演ライ)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(S.)、長野羊奈子(Ms.)、ヨーン・ファン・ケステレン(T.)、マルッティ・タルヴェラ(Bs.)
ベルリン・フィル、合唱:東京放送合唱団、東京混声合唱団、二期会合唱団、日本合唱協会、藤原歌劇団合唱部 (合唱指揮 : 外山雄三) レーベル:キングインターナショナル 収録場所:東京文化会館
➅ブルックナー「テ・デウム」(22分16秒) (管弦楽)NHK交響楽団 (ソプラノ)片野坂栄子 (メゾ・ソプラノ)長野羊奈子 (テノール)五十嵐喜芳 (バス)高橋修一 (合唱)国立音楽大学 (指揮)ロヴロ・フォン・マタチッチ ~東京文化会館で収録~ (1968年9月6日) 「ミサ曲第12番変ロ長調“ハルモニー”」 ハイドン作曲 (45分25秒) (管弦楽)NHK交響楽団 (ソプラノ)片野坂
➆ハイドン「ミサ曲 第12番 変ロ長調“ハルモニー”」
(管弦楽)NHK交響楽団
(ソプラノ)片野坂栄子
(メゾソプラノ)長野羊奈子
(テノール)五十嵐喜芳
(バス)高橋修一
(合唱)国立音楽大学
(指揮)ロヴロ・フォン・マタチッチ
➇. 武満徹「カトレーン」 長野羊奈子、小澤征爾:指揮、ボストン交響楽団他の演奏による1969年~1978年録音盤
CDレーベル:ポリドール ASIN:B00005FJNR
➈. モーツァルト「魔笛」 オイゲン・ヨッフム、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
ザラストロ: マルッティ・タルヴェラ (バス)、パパゲーノ: マンフレッド・レール (バリトン)
パパゲーナ: ベラ・ヤスパー (ソプラノ)、パミーナ: ヒルデ・ギューデン (ソプラノ)
タミーノ: エルンスト・ヘフリガー (テノール)、夜の女王: キャサリン・ゲイヤー (ソプラノ)
伝者: ゲルト・フェルトホフ (バリトン)、モノスタトス: カール・エルンスト・メルカー (テノール)
第1の僧: ワルター・ディックス (バリトン)、第2の僧: ヴェルナー・ゲッツ (テノール)
第1の侍女: アンナベル・ベルナール (ソプラノ)、第2の侍女: ギュッタ・ミケス (ソプラノ)
第3の侍女: ジークリンデ・ヴァーグナー (アルト)、第1の武者: ハンス・バイラー (テノール)
第2の武者: エルンスト・クルコフスキー (バリトン)、3人の童女: バーバラ・フォーゲル (ソプラノ)
ヘルガ・ヴィスニェフスカ (ソプラノ)、長野羊奈子 (アルト)
[商品番号: KKC-2528/29] [2CD] [国内プレス] [Live] [KING INTERNATIONAL]
6.その他
※東京藝術大学奨学金制度長野羊奈子賞奨学金(2015年設立) 故長野羊奈子氏からの遺贈により設立。音楽研究科博士後期課程(声楽)の学生で、成績優秀な者を対象に給付する。対象者/給付額:大学院音楽研究科博士後期課程(声楽)/20,000円給付されている
7.関連動画
「長野羊奈子のプロフィール」